nynypr

誤字だらけ

ふたりのこと

情報を収集し行動を把握して、隠れて紛れて息を殺して。今日も今日とてあの人その人を殺しに行く。
「標的はあの部屋で一人になる」
「うん」
「…しくじらないでよ?」
「今日のコウは、随分うるさいな」
うん、そうかも。
  【暗殺と諜報】
だってほら、君は僕を信じたままだし。
「……ッ…コウ!」
僕も君を信じたままなんだ。

「なんで、いつから」
震える声で名前を呼ばれたって返事はしない。跪かされ顔は俯いているために見えず、かと言ってわからないわけでもなかった。
後ろ手で組んだ白い袖の中。わかっている。わかっているけど。
  【泣黒子と防毒面】
ついにピンは弾かれた。混乱と焦りの中、睨む瞳は赤く泣く。

濃い煙が薄れた頃には、負傷した黒軍兵を残して白い片割れは消えていた。
  【泣黒子と黒軍】
「さよならか、サキ」
ぼやいた言葉は煙と共に消えていく。
彼が突っ伏していた床を一瞥して踵を返す。任務は失敗。もう戻ることはない。

 
 
 

2月19日。一人の生徒の死亡が通達される。写真はなく、名前と無機質な文字があるだけ。それを気に留める生徒は皆無に等しかった。
そして同じ頃、もう一人の生徒が名簿から名前を消した。
  【卒業間際の死亡生徒】
同年4月。15歳の少年が生まれた事を知る者は少ない。

 
 
 

はじめまして。そうだ、はじめまして。
溶けて馴染んで息を殺して。
君から誰かを奪うことすらしたくない。君が守りたいもの全てを、一緒に守りたい。
  【泣黒子の恋】
ああ。ああ。あああ。ああ。君から何も奪いたくなかった。誰にも。何も。奪わせたくなかった。
「報復か」
僕の、罪が。
君を殺したのか。


Twitterに流したものを加筆修正。